神経回路再配線中

今日は天気が悪く、屋外飛行は断念した。

そこで室内でPavo Pico IIの基礎練習を行った。

内容は非常に地味である。

機首を東、西、南、北の各方向に向け、それぞれの状態でホバリングを維持しながら、前後左右へ少しずつ移動させる訓練だ。

スクール受講中にも似た練習は行っていた。

当時は何とかできていた記憶がある。

しかし実際に一人で繰り返してみると、その難しさを改めて実感した。

これまで私は、機首を常に前方へ向けた状態で飛ばすことが多かった。

その場合、前進は前進、右移動は右移動で済む。

ところが機首が左を向けば話は変わる。

前進入力を入れても、自分から見れば左方向へ動く。

機首が後ろを向けば、前進入力は自分に向かって飛んでくる動きになる。

頭では理解している。

しかし指が追いつかない。

機首方向を変えるだけで、これほど脳が混乱するとは思わなかった。

それでも練習を続けた。

2本目、3本目、4本目。

少しずつ感覚が変わってきた。

そして4本目あたりだっただろうか。

ある瞬間、斜め方向への修正操作が自然に入った。

「あれ?」

と思った。

今までは前後左右を意識していたはずなのに、その時は目的の位置へ機体を戻すために、無意識に複数の入力を組み合わせていた。

考えて操作したのではない。

身体が先に動いた。

おそらく脳の中で何かが変わり始めている。

新しい神経回路が作られ始めているのかもしれない。

57歳になってからの新しい学習は正直疲れる。

若い頃のようにはいかない。

しかしその一方で、脳が新しい配線工事を行っている感覚もある。

これはドローン操縦の練習であると同時に、自分自身の再学習でもある。

派手な飛行ではない。

ゲートを高速で抜けるわけでもない。

ただ機首を東西南北へ向けてホバリングしていただけだ。

しかし今日の4本は、今後の飛行技術の土台になる気がしている。

Pavo Pico IIを飛ばし始めた頃は、FPV飛行など到底無理だと思っていた。

それでも少しずつ前へ進んでいる。

今はまだ神経回路再配線中である。


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